第22期日本学術会議 総合微生物科学分科会・IUMS分科会・病原体学分科会・病原体研究に関するデュアルユース問題分科会合同会議並びに第11回日本微生物学連盟理事会 報告

 

3月8日に合同会議を行いました。以下に議事内容の概略をお知らせいたします。
(連盟幹事 柘植尚志)


日 時:平成25年3月8日(金) 11:00~14:10
会 場:日本学術会議6階6-A会議室
出席者:4分科会委員ならびに日本微生物連盟加盟学術団体代表

 
 冒頭に、笹川理事長から当日の会議の進め方について説明があった。
 前半は、当日の午前9時から開催された病原体に関するデュアルユース問題およびBSL4施設に関する分科会の報告が行われた。はじめに、病原体研究に関するデュアルユース問題分科会の岡本委員長から、日本学術会議課題別委員会「科学・技術のデュアルユース問題に関する検討委員会」から公表された「科学・技術のデュアルユース問題に関する検討報告(平成24年11月30日)」の概要説明があった。さらに、12月14日および当日開催された分科会での審議内容、現在とりまとめを進めている提言の概要について説明があり、その内容について協議した。4月以降も提言案について適宜修正を行い、次回の合同会議までに原案を完成することとした。

 総合微生物科学分科会に設置されたBSL-4施設ワーキンググループの柳委員長から、当日の午前10時から開催されたワーキンググループでの審議内容、今後の具体的な取組みについて説明があった。国内にBSL-4施設を設置することの必要性を再確認するとともに、出席者からBSL-4施設設置に向けての対応について意見が出され、ワーキンググループには提言の作成が要請された。

 また、岡本委員長並びに柳委員長から、12月14日に開催された一般向け公開シンポジウム「デュアルユース問題とBSL4施設シンポジウム」について報告があった。本シンポジウムは、デュアルユース問題とBSL4施設に関する情報を一般に周知するとともに、パブリックコメントを収集することを目的として開催されたことが述べられた。当日は、50名を超える一般参加者があり、6題の講演に対して熱心な質疑が交わされたことが紹介された。

 後半は、引き続き合同会議メンバーにより日本微生物学連盟理事会を開催した。はじめに、1月26日に開催された一般向け公開フォーラム「驚きの微生物たち」について詳細な報告がプロジェクターを用いて行われた。本フォーラムのコンビナーである、小暮副理事長、高野理事、奥田理事から、事前準備(講演者の選定、プログラム編成、ポスター・チラシによる広報等)、講演会・懇親会の様子、今後の課題等について、参加者からのアンケート結果も交え報告があった。当日は、中学生から年配の方まで114名(10代、20代が約半数)の一般参加者があり、10題の講演に対して熱心な質疑が交わされたことが紹介された。参加者からのアンケート結果からも、微生物学の魅力と重要性を若い世代から一般市民に広く伝える良い機会になったことが伺えた。

 24年度に行われた以上二つの公開フォーラムは、各々異なるミッションで開催されたが、いずれも一般社会からも高い関心を集めたことは成功であったとの意見表出が多数あった。笹川理事長から、次年度も一般向け公開フォーラムを開催することが提案され、その開催スケジュール案(平成26年1月)も合わせて承認された。

 最後に笹川理事長から、総合微生物科学分科会の鈴木委員から提案のあった「微生物に関する教育とメディアリテラシーの強化」について紹介があり、鈴木委員から追加説明があった。これに関連して、笹川理事長から、我が国の初等、中等、高等教育における微生物に関する教育の重要性が指摘され、その現状と問題点、今後の微生物学教育のあり方等、連盟としても取組むべき最重要課題であるとの意見が出され、またこれについて出席者からもその重要性を指摘する意見が多くだされた。笹川理事長から、木暮副理事長を委員長として、微生物連盟および連盟外からも有識者を集めて委員会を立ち上げ、本課題をについて検討することが提案され承認された。

 事務局から、平成25年度収支予算案について説明があり、承認された。また、日本防菌防黴学会の連盟加盟について報告があり、承認された。これにより連盟傘下の学会数は22となった。

 次回の合同会議を平成25年7月26日に開催することとした。



 [会議室において]
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